Hanni El Khatib

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サンフランシスコ出身の歌って踊れるシンガー・ソングライター、Hanni El Khatib。Her Space Holidayのアートワークを手がけたり、一緒にライブをやったりもしている（HSHがサマソニに出たときは一緒に来ていた）。昨年Stones Slowが手がける新レーベルInnovative Leisureからデビュー・シングル"Dead Wrong"をリリースし、注目を集めている。1950年代からワープしてきたようなブルーズを、あくまでモダンなアートフォームとして再提示してみせるセンスは特筆すべきものだと思う。そのHanni El Khatibのニュー・シングル"Build. Destroy. Rebuild"がこれまた最高。

Hanni El Khatib / Build. Destroy. Rebuild
iTunes

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Hanni El Khatib / Dead Wrong
iTunes

映像を見ても、あるいはアートワークやポマードできっちりオールバックの写真を見ても、隅々にいたるまで世界観が徹底されている。これは、単にブルースが好きとか古いソウル・ミュージックが好きとか、そういうレベルではない。もちろん好きだからやっているんだろうし、音からもブルースに対する愛情や情熱はひしひしと伝わるのだが、それ以上に、アートフォームとしてのブルースに対する冷徹な視線、ある種の批評眼みたいなものが、この人の表現を際立たせていると感じる。つまり、The White Stripesがやっていたような、ロックンロールの再構築。すでに死んだはずのロックンロールとブルースを、完成されたアートとして再出現させる試み。過去の音楽が持っていた神秘をいま蘇らせるために、彼の表現スタイルは装置としての完璧な作り込みを要求する。だから結果的に、これほど古臭い音なのにモダンな印象を与えるのだ。ただの好事家ではすまされない、研ぎ澄まされた感性をもったアーティストだと思う。Stripesなきいま、こういう表現者が出てくるのは嬉しい。

Hanni El Khatib "Dead Wrong"


Hanni El Khatib "You Rascal You"


Hanni El Khatib "Loved One"


Hanni El Khatib "Dead Wrong (Wilcox Sessions)"


Hanni El Khatib "You Rascal You (Wilcox Sessions)"