2011/01/30

Style Band Tokyo (Bo Ningen, Lillies and Remains, Moja), Shibuya Lush, 2011.1.29

アジアカップの決勝も重要だけど、ひさしぶりにLilliesも見たかったし、もう一度Bo Ningenを見ておきたかったのでLushへ。




と思ったら、プロジェクターで試合を映していた(ネット回線の問題か、ときどき止まってたけど)。いずれにしろ、勝ってよかった。ここでオーストラリアに覇権を譲ってしまったら、アジアサッカー界にとってもダメージが大きい。そもそもオーストラリアがAFCに加入したこと自体いまだに納得いかないところがあるし、あの一昔前のイングランドみたいな蹴っちゃ当て、蹴っちゃ当てのフットボールも好みではない。

試合そのものはあまりいいゲームとは言えないものだったようだけど、今回のスケジュールとチームの若さを考えればそこまで求めるのは酷。何より、2014年のワールドカップを見据えて、素晴らしい第一歩を刻めたという意味で、未来がかなり楽しみになった。

おつかれさまでした、日本代表。





って、サッカーの話ではないのであった。





今回のSBTはそういうわけでサッカーの試合の合間にライブをやるという形で、最初のmojaはハーフタイムでの登場。初めて知ったバンドなのだが、面白かった。男女のデュオで、女性のドラムと男性のベース・ヴォーカルによるノイズ・パンク。ちょっとハードコアも入ってるのかな。ぱっとイメージするのはLightning Boltあたり。ベースもドラムもかなりの直情型で、問答無用で盛り上がれるのがいい。あとドラムが手数はめちゃくちゃ多いのにちゃんと塊感のある音を出していて気持ちよかった。一昨年アルバムを出しているようなので、これからチェックしてみます。

moja / moja
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そのmojaが終わると、試合は後半の中盤にさしかかっている。はっきりいってゲームの中身はよくわからないのだけど、どっちも決め手を欠いている感じだったので、あーこりゃ延長だなと思っているうちにLillies and Remainsの出番。

彼らのライブを見るのはかなり久しぶり。たぶん1年ぶりくらいではないかと思うのだけど、そのときに較べるとかなりよくなっているのに驚いた。バンドのコンビネーションもしっくり来ているし、KENTのヴォーカルが明らかに存在感を増している。ロック・バンドとしての一体感、パワーの面においては確実に成長してきている。ただ、その一方でどうにも「きちんとまとめよう」という意識が先に立っているような印象も受けた。そこからはみ出すダイナミズムがもう一歩足りない。観客を引きずりこむような気迫や狂気がないのだ。KAZUYAのギターとMINORUのベースがもっと大胆に暴れるような瞬間があれば、ぐっと力強いものになるのではないかと思うのだけど。メンバーの性格という部分があるのかもしれないが、小さな枠に収まってしまってはあまりにも惜しい。日本で彼らのような音と世界観を鳴らしているバンドはほかにいない。革命を起こして欲しいのだ。

Lillies and Remains / injustice - Single
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さて、そのLilliesが終わって、再びアジアカップ(忙しい)。いつの間にか日本がゴールを決めている! そしてもう延長も終わり! あっさりとタイムアップの笛が鳴り(音は聞こえないんだけど)、どうやら日本が勝ったらしい。これで心おきなくBo Ningenを楽しめる。

前回、Sleigh Bellsのサポート・アクトとして見たときは、あれで抑えめだったんじゃないかと思うくらい、異様な熱気に満ちたライブだった。観客のほとんどが彼らを待ちわびていたというのもあるだろうけど、やたらと濃い空気が醸成されていた。演奏のテンションも高い。あんなドロッドロでガチャガチャしたサウンドなのに、ひとつひとつの音がヴィヴィッドなエッジをもって攻めてくる感じ。前回見たときに

歌いたいことをそのまま歌う、という、どういうわけかいまの日本の業界ではなかなかお目にかかれないロックを、(語弊があるかもしれないけど)素直にやっている

と書いたのだが、近くで見て、ますますその印象が強くなった。髪の毛を振り乱してぐじゃぐじゃになっていながら、Taigenの目はやけに澄んでいる。ポーズや雰囲気ではなく、まっすぐに前を見て「つながりたい」と言っているのだ。ロンドンで、日本語で、やっているバンドだからこそのメンタリティの強さと素直さ。オリエンタルな雰囲気への興味本位な注目(というのも正直あるだろう)を乗り越える、胸に迫るエモーション。Bo Ningenに僕が感じる魅力とはそこである。音にも、歌にも、切羽詰った説得力がしっかりと宿っていた。


Bo Ningen / Bo Ningen
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